サポーターコラム
Supporter column
老朽化した空き家の相続等が発生し、その空き家の評価が必要となるケースもあるでしょう。ここでは、そのような場合の税務上の評価と不動産鑑定士による鑑定評価の違いを簡単にお示ししたいと思います。
まず、主に税理士さんが行う税務上の評価では、一般的に、前面路線価を基に査定した土地価格(いわゆる「路線価方式」)と固定資産税評価額に記載されている建物価格を加算して、土地建物の評価額が決定されます。
但し、この固定資産税評価額は、建物が何年以上経とうとも、原則として20%を限度として、それより下回ることはありません。
一方、不動産鑑定士が行う不動産鑑定評価では、一般的に、周辺の土地の取引事例を基に査定した土地価格から、地上建物の取り壊し費用を控除して、土地建物の評価額を決定します。
このように、取壊しが有効な建物である場合、不動産鑑定評価においては、土地建物一体としての市場性(購入者の心理)を重視して、最終の評価額を決定するのに対し、税務上は、その目的から、画一的に評価される場合が多いと想定されるため、両社の評価額が大きく異なる結果になる場合もあると思われます。
従いまして、取り壊しが想定されるような老朽化した空き家の相続等が発生した場合には、このような視点も含め、適切な評価を検討されることをお勧めします。