サポーターコラム
Supporter column
空家は、被相続人の死亡によって発生することが多く、空家問題と相続問題は密接な関係にあると言えます。
そして、不動産の相続税額は、一般に「路線価方式」と呼ばれるものに基づき算定されます。この方式は、主に税理士さんが、国が道路ごとに設定した路線価をもとに各種補修正を行い対象不動産の評価額を算出し、相続税額を定めるものです。
しかしながら、この方式は、一定の基準に基づき一律に補修正を行うものであるため、路地状部分や崖地部分等があることによる減額補正が機械的に行われ、現実の感覚と大きくずれてしまうことがあります。
したがって、本来空家は、どれをとっても同じ物件は存在せず個別性が極めて高いにも関わらず、上記路線価方式によった場合には、例えば、本来の価値以上に評価され、相続税額を多額に支払ってしまうケースも出てくるでしょう。
そこで、このような事態を回避するために、専門家である不動産鑑定士による鑑定評価を行うことが対策の一つとなります。不動産鑑定評価は、対象不動産の置かれた状況を客観的に把握し、その個別性を十分に見極めた上で、地上建物の取り壊しも視野に入れながら、適正な評価額を算出するものです。これによって、結果的に、それぞれの空家の個別性を十分に反映した評価額に基づく相続税の減免申請を行うこともできるのです。