サポーターコラム
Supporter column
空き家対策の法整備の一環として、「管理不全土地建物管理制度」が今年の4月から施行されました。
これは、所有者が適切に空き家を管理しておらず、近隣住民等に悪影響や危険を生じさせるおそれがある場合、裁判所が管理人を選任する制度です。
これまでは、被害を被っている方は裁判で所有者を訴え、勝訴したうえで強制的に管理させるしかありませんでした。それでも、所有者がかたくなに管理を行わなければ状況は手詰まりになってしまいます。
一方、管理不全土地建物管理制度は裁判所が管理人を選任するため、確実な管理が期待でき、危険や被害を除去することができると考えられます。
同時に、「所有者不明土地建物管理制度」も施行されました。所有者が分からない場合はこちらを選択する事ができ、裁判所の許可が出れば売却する事や建物を取り壊すことも可能です。
相続登記の義務化や相続土地国庫帰属法が「空き家の発生を予防する」ための政策であるのに対して、管理不全・所有者不明土地建物管理制度は「空き家を活用する」ための政策です。また、管理不全の不動産により被害を被っている方にとっては、管理不全土地建物管理制度は救世主になりうる制度だと考えられます。
施行されて間もないので、現時点では制度的に不明慮な点がありますが、今後改正を重ね、より実用的な制度となる事が期待されます。