屋上緑化とは、家屋上の空きスペースに芝生などを設置して庭園化緑化することを言います。屋上緑化の導入は景観の良化だけではなく、建物自体の断熱性の向上につながるため、ヒートアイランド現象をはじめとする環境問題への対策としても行われています。
【屋上緑化が後押しされている背景】
2000年4月から敷地面積が1000m²を超える建物、250m²以上の公共施設を新築増改築する際には、屋上の緑化を東京都が指導するようになりました。そして、2001年から条例によって義務化されました。
その後、東京都の影響を受けて他の地域でも助成制度などを設けるようになっています。2003年の東京都の調査では、緑化していない屋上では夏場の温度が55度だったのに対し、緑化している建物では30度と大きな違いがあります。室内の温度も緑化している建物のほうが1~3度下がったと言われています。
【屋上緑化のメリット】
①ヒートアイランド現象の緩和
ヒートアイランド現象とは都市の気温が周辺地域よりも高くなる現象のこと。田畑や緑地、河川の減少や、自動車などからの排気、建物の密集による風通しの悪化が原因と言われています。緑化によって得られる省エネ効果にともなう排気の減少や、遮熱効果によって気温上昇を抑える働きがあります。
②省エネ効果
夏の温度上昇を軽減する効果があります。また冬場は保温効果があり、夏場だけでなく年間を通して省エネにつながります。
③建物を保護する効果
紫外線や酸性雨による屋上やバルコニーの表面、防水層の劣化を緩和防止が期待できます。
④癒し効果
緑色には精神を安定させ、ストレスの解消や疲労回復効果があると言われています。緑化することで視界に緑色が入る機会が多くなり、癒しを得る回数も増えます。
屋上緑化は、オフィスビルだけではなく、一般住宅に導入することでも十分にメリットがあります。しかし、防水処理や屋根の耐荷重など考慮すべき点が多く、自らの手で対策することは難しいと思われますので、屋上・バルコニー緑化をお考えの際は専門業者にご相談をお勧めします。
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