サポーターコラム
Supporter column
前回のコラムで、空き家が市街化調整区域内にあるような場合には、路線価が付されていないため、残念ながら、路線価を利用しての簡易評価を行うことが困難になる旨、お伝えいたしました。
今回は、このような場合にも適用できる簡易評価の方法をお伝えしたいと思います。
まず、空き家が市街化調整区域内に存して、相続税路線価が付されていない場合でも、固定資産税路線価が付されている場合があります。これが付されている場合、当該路線価 を0.7で割り戻すことで概ね時価に相当する価格を推定できます。
しかしながら、市街化調整区域内において上記の固定資産税路線価が付されている地域はごく一部であり、それ以外の地域では、この方法は適用できません。そこで、それ以外の地域では、固定資産税の評価割合から逆算して求める方法によります。この方法は、固定資産税の評価額に評価倍率(1.1など)を乗じ、これを0.8で割り戻すことで概ねの時価を推測する方法です。
上記の固定資産税路線価、固定資産税の評価額は、各市区町村に備え付けられているほか、固定資産税路線価はインターネットでも検索でき、また、固定資産税の評価額は、所有者に送られてくる納税通知書等に記載されています。評価倍率については、国税庁が公表している財産評価基準により検索が可能です。
但し、固定資産税関係の指標は3年に1回の見直しであること、また、建物の固定資産税評価額は下限が20%に据え置かれることなどから、必ずしも適切な実勢価格を把握できるとは限らないことに注意が必要です。