住宅が建っている土地の場合、土地の固定資産税が軽減されるという特例があります。
建物を解体すると特例が受けられなくなるため、固定資産税が通常の金額に戻り、結果として建物が建っていた時よりも固定資産税が高くなります。
一方で、解体後の土地は住宅用地ではなく非住宅用地とみなされ、固定資産税は7/10以下に軽減されます。
双方の影響を踏まえると、解体後の固定資産税は最大で4倍程度になることもあります。(地域や面積によっては上昇しない事もあります。)
・特例措置の概要
一般住宅やアパート・マンション等の敷地として利用されている土地を対象に、土地の面積に応じて次のような計算式になっています。
※ちなみに、アパートやマンションのように部屋同士が完全に分断された集合住宅の場合は、戸数×200㎡以下の部分が小規模住宅用地となります。
▼住宅用地で200m²以下の部分(小規模住宅用地)
①建物がある場合の計算式
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1/6 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 1/3 × 0.3%
②建物がない場合の計算式
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 7/10 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 7/10 × 0.3%
▼住宅用地で200m²を超える部分(一般住宅用地)
①建物がある場合の計算式
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1/3 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 2/3 × 0.3%
②建物がない場合の計算式
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 7/10 × 1.4%
都市計画税 = 固定資産税評価額 × 7/10 × 0.3%
軽減措置が適応されるかどうかは、1月1日時点(賦課期日)に建物が滅失されているかどうかで決まります。取り壊しの時期を年始にするなど調整することによって節税になります。
2014年11月19日に可決された空き家対策特別措置法により、行政が倒壊の恐れや景観を著しく損なう「特定空き家」とみなした場合、建物が建っていたとしても固定資産税の軽減措置が適応されなくなりますので、注意が必要です。
既に近隣から苦情が出ていたり、今後管理が難しい空き家をお持ちの場合には、トラブルに発展する前に取り壊しを行い、売却するのも一手です。
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